文を組み立てる

<普通の文の組み立て方>

まずは、簡単な文の作り方の説明です。

英語だと、「主語→動詞→目的語」や「主語→動詞→補語」などのように、順番は結構固定されていますが、スペイン語はそれほどではありません。
もちろん、基本は英語と同様と思えばよいです。たとえば

Yo quiero esto. (私はこれがほしい)
- Yo (私は : 主語)
- quiero (= querer、ほしい : 動詞)
- esto (これ : 目的語)

というような具合ですが、これを

Esto yo quiero.

と言っても特に変ではありません。完全に順序を逆にして「Esto quiero yo.」なんて言うことも理論的には可能です。
(完全に自由というわけではないのですが、細かい話はここでは割愛します)

英語だとよく「関係詞やら何やらをつなげたら主語が頭でっかちになった」なんていうことがありますが、
スペイン語ではこういうときに、とりあえず動詞や目的語を言っておいて、頭でっかちの主語は最後にゆっくりと述べる、ということができます。

Me llamará la chica a la que vi ayer.
(昨日会った女の子が電話をかけてくるはずなんだ)
- Me (私に : 目的格代名詞)
- llamará (= llamar、電話をかけてくる : 動詞)
- la chica 以下 (昨日会った女の子 : 主語)

スペイン語では、文脈上主語が明らかな場合、主語を省略することができます。
また、動詞の活用形は主語の人称と数で異なるため、「一人称単数」などの場合は動詞の形を見れば主語がなくても主語がわかります。このような場合も主語を省略できます。
名前を名乗るときに「Me llamo Nao (私の名前はナオです)」のように言いますが、これも主語 (yo、私) が省略されています。

語順の柔軟性や主語の省略というのは、自分で書いたり言ったりするときは楽なんですが、人の作った文章を読むときには混乱することもよくあります (笑)。ご注意を。


<否定文の組み立て方>

動詞の前に no をつけるだけです。

No tengo dinero. (私はお金を持っていない)
- No (否定)
- tengo (=tener、持つ : 動詞)
- dinero (お金 : 目的語)

ただし、目的格代名詞がある場合は、目的格代名詞の前に no を置きます。

Ella no me dijo nada de eso. (彼女はそのことについては私に何も言わなかった)
- Ella (彼女は : 主語)
- no (否定)
- me (私に : 目的格代名詞)
- dijo (=decir、言った : 動詞)
- nada de eso (そのことについては何も : 目的語)


<疑問文の組み立て方>

英語と違って語順を変える必要は特にありません。文末に「?」を置き、さらに文頭に「¿」(疑問符の180度回転) を置きます。

普通の文 : Ha llegado el tren. (電車が着いたよ)
疑問文 : ¿Ha llegado el tren? (電車は着いたか?)

英語の「5W1H」のような疑問詞もあります。基本的には文頭におきます。次の例では qué (何) が疑問詞です。

¿Qué significa "otorrinolaringología"? (「otorrinolaringología」ってどういう意味?)
※ちなみに「耳鼻咽喉科」のことです。

なお、疑問詞が表わす単語に本来前置詞がついているような場合には、前置詞を疑問詞の前に付けます。

¿De dónde eres tú? (どこの出身?)
- de (~の出身である : 前置詞)
- dónde (どこ : 疑問詞)

つまり、英語なら、「Where are you from?」ではなく「From where are you?」のようにして言う、ということです。
「¿Dónde eres tú de?」のような言い方をすることはありません。


<感嘆文の書き方>

文末に「!」を置き、さらに文頭に「¡」(感嘆符の180度回転) を置きます。

¡Qué cosa! (なんてこった!)


ここまで、簡単な (?) 文の組み立て方について説明しました。
次は、代名詞などの基本的な単語の説明に移ります。