文人の悩み

『ドンッ』
「いてっ」
「あいたた、あ、すみません… おや韓さん」
「なんだい、誰かと思ったら賈さんじゃないか。ぼーっと歩いてるんじゃないよ」
「いやそれが、"僧は押す月下の門" っていう詩の一文を考えてたんですけどね」
「おや、いい文じゃないか」
「そう思ったんですけど "僧は叩く" もいいなあ、と思って」
「ああ、それも捨てがたいね」
「それでどっちがいいかなぁと悩みながら歩いてたら、韓さんにぶつかっちゃいましてね」
「なるほどそういうことかい」
「韓さんはどっちがいいと思います?」
「"僧は押す" と "僧は叩く" ねぇ… うん、そういうときは実際に自分でやってみりゃわかるんじゃないかね」
「そりゃ名案ですね、じゃまず僧になってきますよ」
「違うだろ (笑)」

答え:  

この会話文は「推敲」の故事をもとに作ったフィクションです。
韓さんのありがたいお言葉に従いましょう。
だから実際に自分でやってみりゃわかるんじゃないですかね。
つまり、押したり叩いたり、ということです。
「どこを?」って…アレはあの1か所にしかありませんよ?

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